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岐阜のかつての城下町「岐阜町・伊奈波エリア」。鮎のなれ鮨を江戸まで運んだことから、「お鮨街道」と名付けられた由緒ある通りに佇む、築130年の町屋をいなり寿司専門店へと改修する計画である。

エリアに残る町屋は住居として住み継がれてきた経緯をもつことと、まちなみ修景工事助成金の規定で窓への木製格子の設置義務があることから、通りに対して閉じた外観が形成されていた。そのため歴史ある町屋の佇まいを尊重しながら、街道の流れに開いていくことをデザインの起点とした。
お鮨街道に面する外観を壊すことなく施主が大切にしている世界観を表せるよう、通りから玄関土間にまで連続させる奥の外観をつくることで、まち歩きの自然な流れの中で、カウンターに並べられたいなり寿司へと心惹かれる構えをデザインした。

賃貸契約であるために原則原状回復を前提とすることや、コストバランスの観点からテナント範囲全体を改修することが難しかったため、住み継がれてきた原状を引き継ぐように、既存仕上げに新規仕上げを重ねる手法をとることで解体工事を省略した。また、作業室を半分に区切るカーテンを掛けて玄関土間にコストを集中させた。

新規仕上げは、強度が担保できて補修が容易な既存枠周りに寄り付くように新たな枠を付属させていき、カウンター・腰壁・垂れ壁・外部FIX窓枠・玄関引き戸吊りレール・黒フィルムガラス仕上げを新規枠に収めていった。
カーテンの生地は、原状回復を前提として既存を拠り所とする本計画の性質を受けて、着物の正絹を採用した。洗い張りや仕立て直しを通じて価値を受け継ぐ着物の特性にならい、2枚の中古着物をそれぞれ13mの反物に戻し並べて掛け、元通りにつなぎ合わされた柄やその繊細な縫い目により、歴史を重ねた町屋の空間が彩られるようにした。
黒フィルムガラスの半鏡面仕上げは、光の加減で既存の木製突板貼りの仕上げやガス管が透けて見え、同時に屋外からは着物のカーテンを背景にカウンターに並べられたいなり寿司が映り、屋内からはお鮨街道の人や車の流れ、街路樹が映り込む。

これから増えていくであろう通りの賑わいと、いなり寿司専門店の世界観が混ざり合う奥の外観は、歴史ある町屋を次世代に継承していく、新しいまち歩きの空間体験を提案する。

いなり寿司アワイ店舗改修計画

内装設計